経済というのは人がいて成り立つもの、『お金のむこうに人がいる』|書評と要約

書評

『お金のむこうに人がいる』著者:田内 学

著者は元ゴールドマンサックスの金利トレーダーの方だ。経済活動というのは”人”が中心であるということを忘れないでほしい、知ってほしいという想いで発信されている。

本書より抜粋

・なぜお金をコピーしてはいけないのか?
みんなが支え合って生きていけなくなるから。つまり労働しなくなるため

・なぜ僕らはお金を欲しがるのか?
それは納税義務があるから。江戸時代までは銅、銅銭、小判などの貨幣や米など円ではないものが商品の売買や給料の支払いなどのために使われていたが、明治時代になって円貨幣が普及し始める。そのきっかけは1873年の「地租改正」だ。円の価値を信じていなくても納税者は円貨幣を手に入れないといけない。

・そもそも税は何のためにあるのか?
より良い社会を作るためにはみんなの協力が必要。税を納めるという方法によってみんなで負担を分け合っている。

・原価は存在しない
全てのモノは労働によって作られる。原価を辿れば0円になる。

・お金の持つ2つのコミュニケーション力
「交渉力」:絶対的な権力がなくとも、言語の伝わらない外国にいても、相手が提示したお金さえ支払えば他の人に働いてもらうことができる
「伝達力」:金を流せば自然に労働が集積されどんな複雑なものも作り上げることができる。

・お金は増えない
預金を増やすことはできる。だけど、それは貸し借りが増えているだけで、お金自体が増えているわけではない。

・あなたが消費しているのはお金ではなく、誰かの労働。お金のむこうには必ず「人」がいる。

感じたこと、疑問

①お金を増やすことができないとは?
本書では信用創造にも触れており、お金が創造される仕組みは簡単に触れているが、今の私の理解では銀行が融資で信用創造を行えば、銀行は数字を記入するだけで、その融資を受けた企業の預金残高が増える。なので、この時点で新たにお金は増えた、と言えないのだろうか…

②経済を労働力ベースで考えるのであれば、移民政策で外国人労働者を増やして働いてもらえば解決するのでは?円で給与を支払れば海外への労働力の貸しにもならない。この点はどうなんだろうか?

上記の2点の疑問について、著者田内様からInstagram上でコメント頂きましたので、こちらに転載させて頂きます。田内様、ありがとうございました!!

総括して、以上の疑問は残ったが平易な言葉で経済全体のことを説明されておりとても良い本であった。これまで経済を人(労働力)で考えたことがなかったため、新鮮な視点であった。再度読み返したい一冊!

合わせて観たい

テレ東はほんとうに良い情報を発信してくれています。こちらの動画も合わせてみるとより理解できるかと思います。

【辞めゴールドマンサックス】「お金」と「幸せ」の問題について【sokokara】

ご興味のある方はこちらの本を手にとってみてください。

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