日銀ETFの出口戦略を考える『日銀ETF問題<最大株主化>の実態とその出口戦略』|書評と要約

書評

『日銀ETF問題<最大株主化>の実態とその出口戦略』著者:平山賢一

最近は株の研究ばかりやっている。その中で中央銀行の政策をしっかりと理解している必要があると思い、本書を手に取った。本書は日銀のETF購入について、その出口戦略について書かれている。

日銀がETFの保有を拡大させ、2020年末には日本企業の最大株主になった。ETFを通して、日本の取引所に上場する大多数の企業の株式を保有しているのだ。

ETFとはなにか

ETFとは投資信託の1種である。投資信託との違いは、その投資信託自体が上場しているか上場していないか(証券取引所を通じて取引できるかできないか)の違い。ETFは上場している投資信託なので、証券会社を通じて常時取引が可能である。

日銀の保有資産

次に日銀のETF問題を見ていく上で、そもそも日銀はどのような資産を持っているのかをみてみたい。(2020年12月31日時点でのデータ)

総資産:702兆円
・国債:535兆円
・貸出金:111兆円
・ETF:35兆円(4.9%)
・REIT(リート):6500億円
・社債:6兆円
・CP:4兆円

データの通り、日銀保有総資産の702兆円のうち、ETFは35兆(4.9%)であり、株式時価総額の約7%にも及ぶ。

日銀の出口戦略

いま保有しているETFをどうするべきか。過去、日銀は2度市場に介入してきた。戦時中の1940年代、1960年代に株価維持機関を設立し、そこに資金供給する形で間接的に介入した。今回は直接的に3度目の市場介入である。2度の市場介入では、数年かけて保有株式を売却して市場には大きな影響はなかった。今回は35兆円(いまはもっと増えている)にも及ぶので、数年かけて売却しようと思っても、株価を下げてしまったりと思うように売却できないことが予想される。よって、筆者は売却ではなく、凍結することなどを提案している。

まだ全体的に噛み砕いて理解できていないため、再度時間をおいて読みたい。

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